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クラシエの漢方薬を支える若き精鋭。抜群のチームワークで危機を乗り越えたサクセスストーリー!

人気が高まる漢方薬。時間が足りない漢方薬工場。さぁ、どうする?

そこは情熱と工夫が溢れる工場でした。
富山県高岡市鐘紡町。富山湾から内陸へ6kmほど入ったその町に、
葛根湯をはじめとした漢方薬をつくるクラシエ製薬高岡工場があります。

製造ラインの女性リーダーたち。彼女たちは増産に次ぐ増産という、
これまでにないピンチに見舞われていました。

「さぁ、どうする?」

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その年の終わりのクラシエグループ表彰式。
壇上に高岡工場のチームリーダー宮島さゆりさんの姿がありました。
受賞の挨拶で「みんなが限界を超えて、工場がひとつになってワクワクした」と当時を振り返りました。

そうです。高岡工場は見事にピンチを脱し、
過去最高の生産数量を達成したのです。

きっと彼女の言うワクワクとは、クラシエが理想とする、
常識を超えた「CRAZY KRACIE」の一例だと思うのです。
それでは、彼女たちの思いと取り組みに迫ります。

新しい工程管理システムなんて、いらんのに……。

漢方薬は健康志向の高まりとともに販売数が伸びつづけています。
高岡工場の生産高も毎年増加。
2017年は過去最高を迎え、工場は連日フル稼働。
そこに、新しい工程管理システムが導入されて、効率的になるはずでした。

「ところが、現場が新しいシステムに慣れていないせいで、ラインの停止が多くなってしまったんです」と、宮島さん。

「生産量は増える。だけど進まない。そんな状態が続いて、気づいたら、もうこれ以上遅れたら取り返しがつかない……。遅れている実感がわいて、焦りました」。

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現場からは「システムなんていらんのに……」という声が続出。
藤木さんと最上さんも当時の心境を語ります。

「操作ミスをする度、すごい落ち込んで。ふたりでよく励まし合っていました。また、やってしまった……」
「遅れを挽回せな! がんばろう!ってね」。

「もう、誰よ!?」と、ギスギスした空気さえ流れる現場。

充填リーダーの宮田さんは
「あのときは毎日、いかに効率よく進められるかを話し合って、半分ケンカもありました。21あるラインをみんなで管理しなきゃいけないですから、コミュニケーションは絶対でした。忙しいから目の前の仕事をこなしたいんですが、その前にまずミーティングでした。」と振り返ります。

高岡工場はOTC(一般用)と医療用をあわせ573種類にもおよぶ漢方薬を、21の製造ラインを駆使して製造しています。
複雑なパズルを解くように、多品種・小ロット・多包装という緻密な製造をコントロールしているのが、彼女たちのチーム。

彼女たちのコミュニケーションはまさに工場の生命線でした。
宮島さんはみんなによくこう伝えました。「みんなでやらなあかん。がんばろう」と。

みんなの気持ちがひとつアップしたのを感じました。

彼女たちの話し合いは、お互いの危機意識を高め、現場での密なコミュニケーションを育んでいきました。

些細な見落としがラインの停滞を招く。1分1秒を大切に。
一人ひとりが心に刻み、気づけばすぐに連絡を取り合いました。

「この包材、来てる?」「次、入るよー!」同時に業務改善も走り出します。包装サブリーダーの藤木さんと最上さんは、次の生産へ移る準備時間を15分短縮。宮田さんはメンバーから意見を吸い上げ、より効率的な作業手順を上司へ提案し、実行しました。

さらに、効率を上げるために、宮島さんは他部署へ働きかけます。「少しでも早く資材を入れたいから、生産管理の担当からメーカーさんへお願いしてもらったり、倉庫にも無理を言って、来たらすぐ入れてって」。

こうした彼女たちの働きかけと行動は、工場中を巻き込み、気がつけば、全員が工場の使命を果たそうと改善に夢中になっていました。

何よりも嬉しかったのは、現場からの積極的な働きかけでした。
小さなお子さんがいるメンバーから、宮島さんへ残業の申し出があったのです。「実家の母に頼みました。早出やります」と。

「それを聞いてわたし、えっ、すごい!って感動してしまって……。ありがとうって。あのときはみんな必死やったんです。誰もが効率よく生産しなきゃ!って、手を挙げてくれて、どんどん盛り上がっていって、みんなの気持ちがひとつアップしたのを感じました」。

宮田さんも続けます。
「愚痴を言っとる暇あったら、やらなまずくない? みたいな感じで一体感ができていったんです」。

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こうして工場の全従業員190人が一丸となり、対事業計画108%UPを見事、達成。
これは月20日操業で21.6日の生産高に値します。
まさに工場の限界を超えた取り組みでした。

今では新しいシステムでの作業効率も上がり、品質確保のための重要な役割を果たしていると皆が認識しています。
「導入当時は文句ばっかり言ってごめんなさい(笑)」と宮島さん。

宮島さんは、工場長の計らいも工場の一体感を導いてくれたと考えています。

「何回かね、言いにくいこともざっくばらんに話してくださいと、茶話会を設けてくれて。みんなで遠慮なく工場長にワーッと伝えて、スッキリしたんです。ほんとうに工場長がリードしてくれたんです」。

このメンバーとだったら新たな限界が見出せるんじゃないかな。

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この取り組みは、薬品事業の売上・利益の大幅超過に大きく貢献し、クラシエグループ表彰を受けました。
それは社内の表彰に過ぎませんが、その知らせに宮島さんは動揺したと言います。

「ほんとうにわたしたちでいいの?と思ったんです。だって工場の使命でしょ。工場でつくった遅れを取り戻しただけなのに。だからね、ちょっと恥ずかしかったんです」。

対して宮田さんは「わたしは素直に喜ばしいことかなって。がんばったことが表彰されて、みんなのモチベーションが上がったし、このメンバーとだったら、これまでの限界を超えて、新たな限界が見出せるんじゃないかなって」。

「まさか表彰なんて!」と驚いた藤木さんは「ほんとうにしんどくて、もうあの頃に戻りたくないけど、がんばって良かったです」と笑顔を見せてくれました。

最上さんは、宮島さんの気持ちに共感しながらも、「一致団結ができたことがうれしい。また表彰をめざしたいです!」と元気よく言ってくれました。

宮田さんの目標は、これから強い集団をつくっていくこと。
「一人ひとりがもっと主体的に考えて、みんなで話し合って、それまでの方法をガラッと修正できる。そういう勇気ある集団が理想ですね」。

最後に、宮島さんは「部活みたいで楽しかった」と振り返ります。

「あのときは、眠くても、疲れていても大丈夫! なんとかなる! みたいな感じで、すごいワクワクというか、みんなで楽しみたい気持ちでいっぱいでした。ふだん現場にいない上司も手伝ってくれて、その上司がミスしたら、あぁもう仕方がないなって(笑)。

これからは工場にロボットが入ってきて冷たい感じになるのかな? それが少し怖いかも。わたしは下町ロケットのような、ああいう熱いものをもった工場にしていきたいし、してほしいと願っています」。

人の健康の一端を担うクラシエの漢方薬。
漢方薬工場は決して止められない存在なのです。

高岡工場の皆さんは、この使命を胸に、まっとうしよう、限界を超えようと、きょうも努力をつづけています。

クラシエの漢方薬を手に取るお客さまの健康と笑顔のために。
彼女たちの挑戦はつづきます。

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