「憧れの人」「魅力あふれる気になる人」へのインタビューから学んだ夢中ヒント
「夢中人」といえば、誰を思い浮かべますか?
くらしの夢中観測所では、夢中時間を増やすヒントを見つけるため、観測員が考える夢中人へのインタビューを実施しました。ずっと憧れていた方にお話を伺った大沼日登実と、魅力あふれる気になる人へのインタビューを行った小岩こずえが、「インタビューからの気付き」について語り合いました。
憧れの人との共通点は自信になり、違っている点は真似したくなる
大沼:今回の観測活動で一番印象に残っているのが、ずっと憧れていた大宮エリーさんへのインタビューです。前職で一度ご一緒したときに、知識豊富でお話も面白い方だなと思い、エリーさんの著書も読むようになりました。
エリーさんの本を読んでいると「小さいことにこだわらずに楽しくやればいい」という気持ちになれるので、仕事をするうえで大きな助けになりました。それから、どんなことにでも柔軟にチャレンジされる点も見習いたいと思い、憧れるようになりました。
小岩:インタビューをしてみてどうでしたか?
大沼:考え方に共通点があると、自信になりましたし、違っている点は真似したいと思いました。エリーさんの著書を読んで影響を受けていたのもありますが、「小さいことにくよくよしない・柔軟にチャレンジする」という点は共通しているところで、これからもそういう気持ちでやっていきたいと感じましたね。真似したいと思ったのは、毎日朝日を浴びているというお話。元気になるそうなので、実践しています。
小岩:私は、魅力的だなと思う方、二人にインタビューしました。一人はよく行く飲食店でソムリエをしている方。世界 サービスマンコンクールで準優勝したことがある実力派で、ワイン塾も開催されるなど休む暇もないほどいろんな活動をされています。
もう一人はソムリエの方と同系列の飲食店でバイトをしていた方です。平日は営業系の仕事をしているのですが、土日だけ「旅する万屋さん」として全国各地に行って無料でお手伝いをされています。レストランには無給でいいと言ったそうですが、お店としてそういうわけにはいかないため、少額をいただいて働いているとのことでした。出会った日がその店でのバイト初日だったのですが、すぐに魅了されてしまい
「突然すみません、お話したいです」と、声をかけたんです。
大沼:こずえさんって勇気ありますよね。どんなところに魅了されたのでしょうか?
小岩:ソムリエの方と「旅する万屋さん」お二人に共通していることなのですが、すごく楽しそうに笑顔でイキイキと仕事をされているところです。ソムリエの方は忙しいはずなのに、「楽しくて仕方ない」とおっしゃっているところが素敵なんですよね。「旅する万屋さん」もファンになるお客さんが私以外にもたくさんいるような方で。二人とも、「どんなご家庭で育ったのだろう? どうやってこんなにポジティブな人格が形成されたのだろう?」と、気になってしょうがないんです。
お二人にインタビューをすると、元気がもらえて、「自分もそうなりたいな、笑顔でいたいな」といい刺激をもらえました。
夢中にはいろいろなタイプがある!?
大沼:エリーさんへのインタビューからはさまざまな発見がありました。特に印象深いのが「無我夢中も夢中のうち」というお話です。それまでは、夢中とは「楽しいことやワクワクすること」だと考えていましたが、その時は辛かったとしても、後から振り返ってみたら「夢中だったな」と思えることも夢中の一種ですよね。夢中にもいろいろなタイプがあることが少しわかってきたような気がします。
それから、最初は「くらしの夢中はたくさんあるけど、仕事には夢中になっていない」とお話されていたのですが、インタビューをしていくと、「あれ? 仕事にも夢中になってるじゃん!」と気付いた瞬間があって。二人で一緒に発見できた感じがうれしかったです。自覚していないけど、意識して考えてみると夢中になっているとわかることもありますよね。
小岩:私がインタビューをしていて感じたのは、やはり好きな人や気になっている人にお話を聞くと、話がどんどん広
がっていくということです。聞きたいことが次々と出てきますし、その後どうなったのかも気になるので、2回目、3回目と定点観測しています。
大沼:こずえさんは本当に、魅力的な人を見つけるアンテナの感度が高いですよね。どこから見つけてくるのか、いつも不思議でした。
小岩:それが偶然なんです。たまたま食事に行ったら出会えました。
大沼:そこで声をかけられる行動力もすごいです!今回の観
測活動では、「生活者まちなかインタビュー」 も実施しましたが、それを普段から実地でやっているような。私だったら気になる人がいても、声をかけられません。
小岩:絶対に話を聞きたいと思って、声をかけずにはいられなくなるんです。私は大沼さんの観測活動を見ていて、しっかり準備して取材に挑んでいる真摯な姿勢が素晴らしいと思いました。 あとは、宣伝部という仕事柄もあるかもしれませんが、物事をいろんな方向から見ることができる点も私とは全然違うなって。
大沼:ありがとうございます。観測活動では部署も年齢も役職も違うメンバーが月に1回定期的に集まって、「ああでもない、こうでもない」と話し合えるのがいいですよね。それも「夢中」をテーマに真剣に考える。そういう時間を持てていること自体が面白いと感じています。
くらしの夢中は小さいからこそ見つけにくい
小岩:観測活動を始めて2年になりますが、いろんな人にインタビューをしてお話を聞くことが一番楽しかったです。「旅する万屋さん」が「人との出会いには必ず意味がある」とお話されていたのですが、私も彼と出会い、いろんな刺激を受けました。人との縁を大事にすることで、新しい発見があったり、夢中に出会えたりもします。縁をつなげて、そしてできるだけ多くの人に会って丸い円にしていくことが大切なんじゃないかと思いました。
「くらしの夢中とは何か?」と考えると、その答えは出ていないというのが正直なところですが、大それたものではなく、もっと身近にあるもののような気がします。でもそれに気付いていない人が多いのではないかと、この2年の観測活動を通じて感じました。
大沼:確かに、そうですよね。私もインタビューをしていて、小さいことに夢中になっているケースが多いと感じました。くらしの夢中とは、小さい夢中が無数に集まった集合体なのではないかと。それと、エリーさんもそうでしたが、インタビューをしているうちに「あ! 夢中になってる」と気付くこともよくありました。特に小さい夢中は自分で見つけるのは難しいので、夢中について人と会話しているうちに見つかるものなのかもしれません。
観測活動で実施したインタビューは、普段の生活の中でもできることです。ちょっとした時間に周りの方に夢中について聞いてみると、面白い発見がたくさんあると思うので、ぜひやってみていただきたいです。
あと、こずえさんのお話を聞いていて、私も同じ人に2回、3回とインタビューをする、定点観測をしたいと思いました。
小岩:おすすめです。情報をストックしておきますと言って、会うたびにいろんな話をしてくれます。
大沼:インタビューをするときに、場所を探すのに結構苦労したので、気軽にインタビューができる場所があるといいですね。何かを見つけようとしなくても、そこに行けば発見があったり、新しい人に出会えたりするような夢中観測のための場所です。リアルでもオンラインでもいいかもしれません。
小岩:いいですね。観測員が日替わりでママやマスターになる夢中観測Barとかスナックも面白いかもしれませんね。