自分の“読み”が当たるかイカと勝負!?凝れば凝るほど“沼”にはまる、“釣り愛”が過ぎるクラシエ釣りクラブ
クラシエの公式部活動をご紹介!第四弾は、釣りクラブ。
クラシエのスローガン「夢中になれる明日」にはクラシエがきっかけとなり誰かの夢中に寄り添い、続いていく明日に役立つ企業でありたい、という想いが込められています。「社員自身の夢中も応援しよう!」ということで、2022年からクラシエ社内に、26の「公式部活動」が発足し、いまでは34の部活が活動(2024年9月時点)しています。
今回はその中から、大阪・高槻で発足した「釣りクラブ」をご紹介。部長の宮本さんと部員の皆さんに部活動発足の経緯や活動について聞きました。最近、部員みんなで行ってきたというイカ釣りの醍醐味もお伝えします!
宮本さんが中心となり釣りクラブ発足
釣り歴40年!の宮本さんが部長となり、2022年に満を持して発足した「釣りクラブ」。現在、8人の部員とともに、不定期に釣りイベントを実施しています。釣りといっても釣りたいものや釣り方などメンバーのスタイルがそれぞれ違うため、普段は3人程度の少人数のグループで個別に活動しているそうです。操船免許を持っている部員の岡野さんの操縦で沖に出ることも!
釣りクラブを立ち上げたきっかけを伺うと、「会社が部活動にお金を出してくれるっていうからです(笑)!」*と、笑いながら話す宮本さんとメンバーに、取材陣も大笑いでした。
「部費として補助をいただけると、普段できない豪華な釣りを楽しめる。いつもはもう少し安上がりな釣り方で楽しんでいるのですが、今回部員みんなが参加した釣り船に乗ってのイカ釣り漁など、憧れていた釣りにチャレンジできるようになったのがありがたいですね」と岡野さん。
中には、釣りがまったく初めてというメンバーもいたそうです。発足時は釣り初心者だった榊さんは、もともと興味はあったそうで、部員へ勧誘されたときは「興味はあったけど、一人で行くのは不安があったのでうれしかった。」と喜んでいたとか。そして、初めて参加したイカ釣りで、かなりの魚を釣り上げ、「おぉ!楽しい!やばい、ハマってしまう!!」と感じたと話してくれました。道具や釣り方など工夫できることがたくさんあり、工夫すればするほど“釣り沼”にはまっていくそうですよ。アドバイスをもらいながら一緒にできる方が近くにいて、声を掛けてくれるのはいいですね!
*人数や活動内容の条件を満たして正式部活動になると、部費が支給されます。
ついに全部員が集結。いざイカ釣り漁へ!舞鶴にイカナイト!!
2024年6月末、ついに部員全員が初めて一堂に会し、活動する日がやってきました!
当日は、メンバー8人と他のお客さんの4人での総勢12人での出艇。夕方18時に舞鶴西港を出て、約2時間かけてイカ釣りのポイント京都府・網野町のほうまで行ったそうです。網野町から船に乗れば10分くらいで着くポイントとのこと。
「舞鶴より南のほうに移動して水温が高いところに行く必要があった。シーズンがもう少し進んで温かくなれば、もっと近いところでも釣れたかも」と話す釣りクラブの皆さんの知識に、釣り素人の私は驚くばかりでした。
今回釣れるイカは、剣先イカとスルメイカ。スーパーのイカのお刺身は剣先イカとかアオリイカだそうですよ。アオリイカは他のイカと釣り方が違うので、今回の対象ではないとのことでした。ちなみにこの初夏の時期は、産卵の時期で、アオリイカは胴長40~50センチ(通常20センチくらい)、3キロぐらいのサイズが釣れる時期!50センチクラスになると4キロを超えてくるそうです!!。
イカは夜行性なので、光に集まった小魚を捕食のため狙いにきたところを釣りあげます。すごい数の小魚の群れで、まるで水族館のようだったと話してくれました。この上の写真の海面の白っぽいところはなんとすべて小魚で、網を入れるとイワシなどがすごくたくさん取れるんだそうです!小魚が多過ぎて仕掛けに当たってくるので、最初はそれでイカが釣れたと思って混乱も生じていたとのこと。イワシ好きの私からすると嬉しい気持ちになりますが、皆さんの本日のお目当てはイカですもんね!
午前2時に無事帰港し、皆さんご自宅へ。
実は、アオリイカは日中も釣れるのだそう!イカ釣りは夜のイメージだったので驚きでした。
「昼間だと、糸の動きでイカが来たかどうかが見えるので、自分の考えを反映させやすい。詳細はぜひエギング(*2)をYouTubeなどで調べてみてください!」と宮本さん。夜とは違う楽しみ方があるんですね。
*2 エギング:エギ(餌木)という疑似餌を使って主にアオリイカを狙うルアー釣り
極めれば極めるほど…
たまたま船に乗る時間まで時間があったので、近くの道具店に寄ったという皆さん。普段はアオリイカ専門の宮本さんは、なんと、今回の剣先イカ・スルメイカ漁のためだけに、高級な竿を購入してしまったそうです!凝れば凝るほど…ですね!!
「高いものは満足感が違うんだよ」と語る姿に、ロマンを感じずにはいられません。「例えば軽自動車と高級セダン、金額は倍以上違うけど、どっちも移動するのには十分ですよね?と言われると困るじゃないですか。やはり良い竿は操作性や動きが違うんだけど、ある程度のグレードを超えたら、あとは“満足感”だけの世界なんです(笑)」とわかりやすく話してくださる岡野さんの話に思わず納得。確かに自分の中の満足感、大事です。
「釣り糸ってナイロンのイメージだと思いますが、我々が使うのは、細いロープのような糸なんです。細くて頑丈なものを選ぶと高くなるんですよ。細いほうが、魚から見えにくかったり、感度もよかったり。しなやかで水の負荷や空気抵抗、竿とのこすれも少ないので、細いほど扱いやすいけど、切れやすくもなる。なのでいろんなことを考えて糸も選んでいます」と岡野さん。知れば知るほど奥が深いのが釣りなんだなと感じました。
売り場には様々な色のルアーが何百と飾られていますが、大きさ重さや色違いでこんなにも種類があります。今回のイカ釣りでは、潮の流れなどを考慮し、船から「このグラム数や号数を持ってきてください」と指示があるとのことでした。軽いと感度はよくなり当たりが感じやすいけど、潮にも流されやすい…など、多角的な視点で状況を考慮しなければいけません。
面白かったのが、ルアーの色についてでした。
水の色なども関係しているのか、この地域ではこの色が釣れるという基本のルアーの色があるんだそう。ご当地カラーと宮本さんは呼んでいました!例えば和歌山で釣りをするなら和歌山の水の色に合うルアー、など地域性もありながら、雨が降った後だったりと、いろんな気象条件も加味してルアー選びをしているといいます。
イワシなどは腹がシルバー色で背中は青や黒が多いですが、それは下からも上からも見えづらいから。でも、反対に、ルアーは目立ちたいのですが、あまり目立ちすぎても魚たちにとって違和感があって避けられてしまう…そのバランスが大事なんだそうです。
部長の宮本さんはイカ釣り専門とのことでしたが、竿1本6万円、リール1個6万円以上…など揃えていくとどんどんお金がかかるので、他の釣りもやりたいけど頑張って自制していると話してくれました。
「宮本さんのように釣りに凝ってくると、対象魚に合った道具を揃えたくなってしまう。普段アオリイカを釣っているけど、今回剣先イカ釣ろうと思っただけで竿を買ってしまうくらいなんで(笑)」と、釣り部の皆さん。宮本さんについて楽しそうに話す姿が印象的でした。
釣れない時間は、工夫ができる時間
釣れない時間だってもちろんあるそう。
「ただひたすら仕掛けをあーでもない、こーでもない、と言いながら工夫している時間が大半です。釣れていない時間も、実は楽しい説があって。釣れるときはどんどん釣れるので、ただただ釣り上げるだけの作業になるんですよね。でも釣れないと、今日のイカはどういう気分だろう、とか考えながら試行錯誤して、ちょっと釣れるようになるとだんだん嬉しくなってくる。自分が工夫したことによって、リターンがあると嬉しいですよね」と岡野さん。
確かに、自分がしたことが報われる喜びが、釣りにはありますね。
今回のイカ釣りでは、別のグループの方がどんどん釣っていたので何をしているか見て参考にしていたそうです。イカは同じ深さの層を泳ぐのでどこで釣れたか、どの色のルアーで釣れているのか、などを同船の1人で来ていたイカ釣りが大好きな三重県の方とコミュニケーションをとりながら、うまいところを取り入れたりしたとのこと。「やはり上手い人に聞くのは大事です」と、メンバーは語ります。
釣りクラブのメンバーの中でも、常に釣れていて結果を出しているメンバーはやっぱりいるとか。さすがですね!(何が違うんだろうね、それがわからないんだよねぇ~…とも)
THE・醍醐味
釣りの魅力とは、やはり“美味しいこと”と“何もないところから急に大きいものが釣れた瞬間”に尽きる、と宮本さん。特に自分が思った通りに竿を動かして、狙ったものが釣れたときは何にも代えがたい気持ちになるそうです。
「釣りの玄人は、ルアーが底につくまでの時間で深さを把握したり、糸を引いて伝わってくる感触から海底の地形や様子を感じ取ったりしています。地形の変化のあるところに小魚がたまり、それを狙ってくるイカたちを狙うんですが、地形把握をきちんとして、自分の思い描いたとおりに狙って釣れると、ものすごくアドレナリンがでるんですよ!」と宮本さん。
過去にはなんと80センチくらいの大型のブリを釣ったメンバーも!(本当は鯛を釣る予定だったらしい)
大型のブリや青魚を狙うときは、ルアーも鉄板のような250グラムなど大きいものを使います。それに大きなフックをつけて、アクションつけて(自分で竿を振りながら)釣るというダイナミックスタイルを楽しんでいるそうです。
榊さんは初参加の時に、“本当にこんなふうに、きれいに食いついて釣れるんだ”という達成感が最高だったと話します。「初心者がバカバカ釣ると、まわりの経験者は焦るんだよーー」と話す宮本さんに一同大爆笑!「榊さんがバカバカ釣るし、横のお客さんもバカバカ釣るし…俺はなんで釣れないんだと。最初は『榊さん、やったじゃん』と声かけていたけど、途中からもう声もかけなくなるよね(笑)」という話に思わず笑ってしまいました。
「榊さんは(ビギナーズラック?で)“釣れた”だけど、我々は(自分たちのスキルで)“釣った”というのが大きな違い!!」と名言(?)も飛び出し、楽しそうな釣りクラブのメンバーに、我々取材陣も楽しい気分になりました。
みんなでのイカ釣り漁を終えて
1人の時とみんなで行く釣りは何が違うかを伺うと、みんながいると「行く過程も帰る過程も楽しい」という素敵な言葉が。「帰りに眠たくならない。釣りの後は本当に眠たくてたまらないんだよ」「みんなで釣り談義ができるよね」と和気あいあいのメンバーたち。「行きはうんちくを語り合い、帰りは言い訳しながら反省会。で、だんだん腹が立ってきてもう1回リベンジで釣りに行くぞ!となるんだよね~」と岡野さんは笑います。
今回のイカ釣り漁は、ちょっと早く集合して、現地で美味しいものを食べて、と旅行気分も味わえて楽しかったそうです。釣りクラブの普段の釣りで狙っている魚種は、かなりマニアックに狙うので、細かい遊びはどうでもよくてとにかく釣りたい!とストイックになるそう。でも、今回は、初めてやる釣り方だったメンバーも多かったので、みんなで情報交換したり夢や妄想を語り合ったり、力まずに楽しめたといいます。
釣ったものは最後においしくいただけることも、釣りならでは!どれも美味しそうですよね、釣りクラブメンバーの料理の腕前に驚きです。
ちなみに、船場についたらすぐその場で捌いて食べるのかを伺うと、「そんな元気は残ってないから、家に帰って家族と食べるんだよー」とのこと。やはりハードな部活であることは間違いなさそうですが、釣りに興味のあるクラシエ社員がいたら、ぜひ情報交換をかねて釣りクラブメンバーと話をしてみてください✨
釣りの楽しさが伝搬していく
部長の宮本さんは「(榊さんのように)釣りをしたことない人がちょっとでも興味をもってくれて、違うところでもやってくれて、そこでもまた釣りの輪が広がったらいいよね」と話してくれました。「釣りの話ができる仲間が増えると嬉しい」という話のときに、メンバー全員がうんうん!と大きくうなずいている姿がとても印象的でした。
週末にそれぞれ別で釣りを楽しんでいても、月曜出社したときに週末の話をしたり、お互い情報交換をしたりして、楽しい会話が生まれているそうです。「なんにも釣れなかったら話さないけど、釣れたら饒舌になるんだよ」と宮本さんは笑います。
また、釣りの1番好きな瞬間は、“海におろしている糸がとまる瞬間”だそう。
通常の釣りは、浮きがついていて、その浮きの動きで魚の動きを見るイメージではないでしょうか?宮本さんの楽しんでいるイカ釣りは、浮きというものはなく、ルアーと糸がついているだけ。ルアーが左右に動くのを、海の変化と照らし合わせてイカの動きを想像して、アクションするそうです。普段は糸が沈んでいくはずなのに糸が止まった!食いついたぞ!という瞬間が、本当に楽しいと話してくれました。
これからの部活動の目標を伺うと「自己記録更新!釣りをしている人のモチベーションはだいたい自己記録更新だと思います。私はアオリイカ2.5kgが最高記録なんですけど、いつか3kgを超えたいです!」と熱く語る宮本さん。
釣り人界隈では、根拠はないけれども、なんとなくこれを超えたら一人前だよねというサイズや重さがあるとか。アオリイカは3kg、アジは30センチ(尺アジ)、ブリだと90センチ10kg…など、釣るものによって“無理ではないけど、なかなか達成できない”という記録があるそうです。それを追うのがロマンなんですね・・・!
「釣りはやっていて本当に楽しいので、釣りの楽しさが伝わればいいなと思います。釣りに興味を持ったり、釣りを始めたりしてもらえれば、こんなに嬉しいことはないです!」と語ってくれた釣りクラブの皆さん。釣り愛がバンバン伝わる素敵な時間をありがとうございました!!
インタビュアー:赤たぬき
イラストレーター:阪本
ライター:のっち