まさかの焙煎機までDIY!美味しい珈琲のために妥協はしない大人の集団「大人の珈琲蔵部」
クラシエの公式部活動をご紹介!第五弾は、「大人の珈琲蔵部」。
クラシエのスローガン「夢中になれる明日」にはクラシエがきっかけとなり誰かの夢中に寄り添い、続いていく明日に役立つ企業でありたい、という想いが込められています。「社員自身の夢中も応援しよう!」ということで、2022年に26の「公式部活動」が発足し、いまでは34の部活が活動(2024年12月時点)しています。
今回はその中から、富山県・高岡の漢方研究所で発足した「大人の珈琲蔵部」をご紹介。部長の藤田さんと副部長・川島さんに部活動発足の経緯や活動について聞きました。2024年8月末に実施したイベントについてもご紹介します!
大人の大人による大人のための珈琲蔵部発足
珈琲が生活の一部になっている藤田さんが、川島さんに声をかけて立ち上げることになったという「大人の珈琲蔵部」。珈琲を片手にその魅力を語り合い、とことん堪能し、自分や仲間のために美味しい珈琲を淹れられるようになることを目指しているといいます。ゆくゆくは「大人の珈琲蔵部」オリジナルブレンドも誕生するかも!?
「部活を発足(*)できると知ったときは、『こんな機会ってすごい!のっかりたい!』と思い、弱いのに10年続けた卓球部や、会社の仲間とも日々楽しんだ麻雀部を考えましたが、まずは1番身近で好きな『珈琲』で立ち上げようと決心しました。絶対に外せないのが、行動力が半端なくぶっ飛んでいる川島さんと、ツッコミを入れながら私の軌道修正をしてくれる大垣内さんでした」と語る藤田さん。気心の知れた仲間とのスタートから、いまでは部員も14人と大所帯になりました。
*人数や活動内容の条件を満たして正式部活動になると、部費が支給されます。
副部長の川島さんも、以前は喫煙所で普段の仕事ではあまり関わらない人たちとコミュニケーションを図っていたそうですが、タバコを止めてからは、コミュニケーションできる場がないかと考えていたとか。「ぜひ珈琲蔵部をやりたい!」とノリノリで盛り上がったそうです。“人をつなげる珈琲”、素敵ですよね。
そして気になる「大人の珈琲蔵部」のネーミング、これ実は副部長の川島さんのアイデアだそう!よく見る“倶楽部”という漢字ではなく、あえて“蔵部”としたのにはこだわりが。
酒蔵やワイン蔵のような、木材に染みついた香りや時代を感じさせる雰囲気など大人のイメージが漂ってくる感じを大切にしたそう。確かに、薄暗く素敵な雰囲気の中、珈琲を嗜む大人たちが目に浮かぶようです。藤田さんも、聞いた瞬間に“珈琲蔵部”という言葉がとても気に入ったと話してくれました。
研究員ならではの視点で珈琲を探究!
まずは有志のメンバー4人で、珈琲屋さんに研修に行ったことから活動がスタート!そこで学んだことを、部員たちにレクチャーしながら今も活動しているそうです。
発足当初、成分分析をするために部員が持ち寄った文献をみんなで読み込んだり、実験だったらあり得ないと言いながら、毎回条件の違う淹れ方を試したりもしたとか。まさに研究員たちならではのエピソードが溢れていました!
いくつかの産地の豆を買い、飲み比べも行ったそう。1人だと何種類の珈琲を1度に試すことはなかなか難しいので、こういう活動は部活動の醍醐味ですね!ちなみに部員たちの好みはけっこう分かれたとか。
「エチオピアは…ホントだ、ちょっと酸っぱい~」
「あぁ~、時間たつと全部酸っぱ~い(笑)」
「先生~、産地より淹れ方のバラつきの方が影響が大きいでーす(笑)!」
などなど、和気あいあいと飲み比べをしているのが伝わってくるお話でした。
やはり時間が経つと珈琲は酸っぱくなってしまうそうで、最初に淹れた産地のものと最後のものでは味も変わってきてしまうため、飲み比べは意外と奥深い作業だったと部長は話してくれました。
研究所内のキッチンに置いてある「ご自由にどうじょ♡」のポットの珈琲が、夕刻には空になっているのも珈琲蔵部の活動の励みになっているといいます。
職場でこだわり珈琲がいつでも自由に飲めるなんて、とってもうらやましいです!
満を持して焙煎イベント2024!
かつて“生の豆を買って焙煎したい”と語っていた、副部長川島さん。
なんと焙煎機を自作!!し、今年のイベントでお披露目していました。有言実行、さすがすぎます…!!焙煎機って作れるものなんですね…。最初は焙煎すると機械の横揺れが大きかったそうですが、何度も改良を重ねた結果、安定するようになったというのも驚きです!
部長の藤田さんは川島さんへの尊敬の念をこめて“DIY焙煎機”と呼んでいました。
2024年8月、ついに漢方研究所で臨時火気使用許可をもらい、焙煎イベントを開催!
不運にも当日は強風が吹き荒れ、テーブルなどを駆使するも火が絶え絶えで、かなりの浅煎りとなったそうです。悪戦苦闘する部員たちに「失敗したっていいじゃん。むしろその方が味があるよ」と励ましてくれる方々もいたとか。
その日、副部長川島さんは夜な夜な焙煎機を調整し、アルミホイルを巻き付け、風除けの工夫もばっちりしました。そのおかげで翌日はしっかり焙煎成功となったそうです!
事後の反省として、「1番上までしっかりアルミホイルを巻いておけばよかったかなー」とも話していました。
通常、生豆からの焙煎は12~13分くらいで、煙が出てくるタイミングで火から下すといいます。副部長のDIY焙煎機は高さがあること、また、ガスコンロの火から少し遠かったこともあり、20分ほどかかったとか。実験さながら何かしら改善ポイントを見いだしているのがさすがです。
焙煎したての豆はガスが溜まっていて美味しく淹れられないため、3日ほど寝かせて安定させ、美味しく淹れられるようにするそうです。また、天然水よりも水道水(日本の水道水の硬度は珈琲を淹れるのにちょうどいいらしい)のほうが抽出には適している、水は汲みたての新しいものがベスト、など美味しい珈琲を淹れるためのヒントをたくさん教えてくれました。
「ほどよく泡ももこもこ~♡香りもよかったです。力業でつくり出された珈琲感があり、味わい深く感じました」と藤田さん。
人とのつながりを珈琲をきっかけにつくりだしていく
「大人の珈琲蔵部」は、当初やりたいと思ったことのまだ半分もできていないと話すお二人でしたが、楽しいイベントを企画したりと、間違いなく活動を全身全霊で楽しんでいました。
部員たちからも、珈琲豆をつかったレジン*2キーホルダーづくりだったり、ヒスイ海岸で石拾いをしながら珈琲を飲むイベントだったり、部活動を盛り上げるアイデアが寄せられています。珈琲から派生して、さまざまなイベントの可能性が広がりますね。考えただけで楽しそうです!
*2 硬化用ライトを照射させると固まるように合成された樹脂
「慌ただしく日々が過ぎてしまうけど、珈琲の力と大人の底力(その身体能力では無理なように見えても、ちびりちびりと意地でも進む力)で、当初より副部長が考えてきた、人とのつながりを珈琲というきっかけでつくりだしていくこと、そんな目標にもなんとか近づけていきたいなと思っています!」と、語ってくれる部長の藤田さんの目はとてもキラキラしていました!珈琲が紡ぐ、素敵なお時間ありがとうございました✨
ちなみに…そもそもなぜお二人は珈琲が好きになったのでしょうか?なんとも素敵なルーツがお二人にはありました。
部長の藤田さんは、幼い頃ネスカフェの珈琲をご両親に淹れてあげていたことが珈琲とのつながりの始まりでした。副部長の川島さんは、ご自身が受験のときに、お母さまがいつも入れてくれていたインスタントコーヒー+牛乳のカフェオレがきっかけだったと話してくれました。家族との温かい幸せな思い出がいまのお二人の珈琲愛を形作っているんだな、と取材陣も心が温かくなっていくのを感じました!
イラストレーター:カズシ
ライター:のっち