まさにCRAZY!を体現してきた元プロ卓球選手「福原愛」さん。オリンピックにまつわる秘話も満載!
ワクワクすることがそこにあったから
行きました。
「卓球の愛ちゃん」の笑顔を見ていると、ついつい忘れてしまうのです。
卓球の世界最高峰の舞台で世界チャンピオンやオリンピックチャンピオンと戦ってきたスーパーアスリートであることを。
そんな福原愛選手は、クラシエにとって、企業としてそうありたいお手本です。その考え方や姿勢は、私たちだけでなく、日本で働く人に刺激と元気を与えてくれるものでした。
ワクワクすることがそこにはあったから。
世界へ行くって意識がなかったんです。
福原さんは10歳でプロになりました。人生においてどういう意味がありましたか?
それまでは普通の小学生として卓球がすごく好きっていう意識だったんですけど、プロ宣言をしてからは、卓球に賭けていくという思いがさらに強くなりました。
これからは意識を変えていかなきゃいけないって、当時、言っていました。
中学生からITTF(世界卓球連盟)プロツアーに参戦、高校生から中国卓球スーパーリーグに挑戦されました。
世界に挑戦した理由は?
まずは世界の最高峰のリーグであるということ、行ったら確実に強くなれるというのが目に見えてわかっていたので、まったく迷いもせず、その場で決めたという感じでしたね。
中国のスーパーリーグは世界チャンピオンやオリンピックチャンピオン揃いでしたし、自分が出場できるかどうかはわからなかったのですが、すぐそばで、そういった選手たちの試合の入り方や、取組姿勢を見るだけでも勉強になると思いました。
世界へ出て行くというハードルは感じませんでしたか?
世界へ行くって意識がなかったんですね。
あまり日本と他の国を分けて捉えていないかもしれないです。
楽しいことやワクワクすることがあったら、そこに行くっていうイメージです。
飛行機もありますし。何も構えることはないですね。
キャプテンとして
チーム内の温度をずっと考えていた。
リオデジャネイロオリンピックでは団体戦のキャプテンでした。
チームをまとめるうえで意識されていたことは?
常にみんなのモチベーションを高い状態でキープしたり、チームの温度を一定にするように心がけていました。
たとえば、団体戦は私と石川佳純選手と伊藤美誠選手の3人で出場したのですが、私と石川選手は先にシングルスの試合があって、そのあと団体戦に向かうことができましたが、伊藤選手は団体戦のみ。シングルスはないけど、常にいつでも団体戦に出場できるぐらいの準備をしておいてもらうとか。
全員の目標が同じじゃないと向かうところが変わってしまうので、キャプテンとして言葉よりも、自分自身が練習の質や量を上げることで、「愛ちゃんが頑張っているから私ももっと頑張ろう」って思ってもらえるよう、日本での合宿のときからずっと考えて行動していました。
とくに伊藤選手はリオがオリンピック初出場で15歳。
私が初めてオリンピックに出たのも15歳だったので、どういう言葉をかけてもらったらうれしかったかを思い出しながら声をかけていました。
環境が変わるのが楽しい。
新しいことに挑戦したり、試すことがすごく好き。
これまで転機はありましたか?
何度かあるんですけど、10歳でプロ宣言をするまえに仙台から大阪に引っ越したとき。それと中国のスーパーリーグに参戦したとき。
あとは、大学を中退して、卓球一本に絞ったときですね。
大阪に引っ越したときは、中国の選手や中高生と練習することができて、環境ががらりと変わりました。
私は環境が変わるのが楽しいって思えるタイプなんです。
行ってみないと何が起きるかわからないじゃないですか。
それを知りたい。
仙台を離れることよりもそんな好奇心が勝っちゃうので、すごく楽しかったです。中国のスーパーリーグのときは、初めて海外リーグで、しかも世界最高峰のチーム。
勉強になることが多くて、すごく充実していました。
新しいことに挑戦したり、試すことがすごく好きなので、毎日ワクワクしていましたね。
大学を辞めたときは、朝から晩まで練習できる環境を選んだので、より一層、結果を出さなきゃって思いましたし、卓球との向き合い方がさらに深くなった気がします。
卓球を好きではなくなったことはありますか?
あります、あります。
嫌いまではいかないですけど、でもやっぱり思いどおりにいかなくなったときは嫌だな、ちょっと離れたいなって思ったこともあって。
それを回避するために、卓球に対して感情をわざと持たないようにしていた時期もありましたね。
黙々と今あることを、目のまえのことをやっていく。
リオのまえくらいはそうでしたね。
そのときそのときを精一杯生きてきたから。
いままでの人生をどう思われますか?また、これからどんな夢をお持ちですか?
いつに戻りたいかという質問を受けたことがあるんですけど、いつにも戻りたくないって思うぐらい、そのときそのときを精一杯生きてきたかなって思うので、まったく悔いのない人生ですね。
10年後、20年後も悔いがないって、言い切れるような人生を送りたいなって思います。
新しく家族が増えて、環境も変わり、慣れないこともあると思うんですけど、たくさん学ぶところがあると思うので、勉強して、人として成長していけたらいいですね。
小学生のとき大学生に勝って、大人はみんなびっくり。そんなCRAZYができたら。
「CRAZY」とはどんな考え方、行動をすることだと思いますか?
人とは違うこととか、発想していないことを、いきなりやること。
卓球でも、すごいクレイジーなプレーというのは、想像もつかないような相手がびっくりするようなプレーのことを言うので、そういったイメージがすごく強いです。
福原さんの「CRAZY」な行動とは?
プレーでは一年に一本出るくらいですかね。
自分からしようっていうのもありますけど、でも、ほんとに自分でもびっくりするような「あっ、こんなボール入るんだ!」っていうのは、すごく少ないと思います。
私は小さい頃から誰かをびっくりさせることがすごく好きで、小学生のときに大学生に勝ったっていうと、みんな大人はびっくりするじゃないですか。
だから、これからもクレイジーなことができたらいいなって思います。
(撮影日は2017年12月某日、長女をご出産後、お仕事に復帰された初日でした。お住いの台湾から東京のスタジオに来ていただきました。
撮影終了後、台湾にいる生後2ヵ月の愛娘をスマホのテレビ電話でお披露目してくれました。)