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小さい頃からの落語好き×海外生活=探究心が部活動に! クラシエ「日本文化探究くらぶ」

クラシエの公式部活動をご紹介!第一弾は、文化部から。

クラシエのスローガン「夢中になれる明日」
クラシエの商品が誰かの夢中に寄り添い、続いていく明日に役立つ企業でありたい、という想いが込められています。
「社員自身の夢中も応援しよう!」ということで、2022年からクラシエ社内に、26の「公式部活動」が発足しました。
今回はその中から、「日本文化探究くらぶ」をご紹介。
発足の背景や活動内容などについて、部長の木村 友美さんに聞きました。

知らず知らずのうちに夢中だった「落語」の世界

「自分が好きな落語を誰かと共有したい」
そんな思いが「日本文化探究くらぶ」発足のきっかけだったと語る木村さん。
 
生まれ育ったのは奈良県。関西圏のテレビ放送では、落語家の番組出演も多く、夜更かしをしていると落語番組が放送されるなど、落語に触れる機会が日常的にたくさんありました。
進学で関東圏に暮らすようになった際、テレビであまり落語家を目にしないことに驚いたといいます。
 
落語って子どもにも理解できるものなの?と感じるかもしれませんが、木村さんによると「落語家さんによって様々な個性があり、仕草やしゃべり方が面白いなど、子どもにもわかりやすいですよ」とのこと。
そんなふうにたくさんの落語に触れていたら、知らず知らずのうちに大好きに。
 
「小さい時に好きだったものは未だに好きなものが多く、今の夢中につながっているのかも」と語る木村さん。大人になってからは、寄席や落語会にせっせと通うようになりました。
 

“他の人からのインプットも欲しかった“ 「日本文化探究くらぶ」の立ち上げ


クラシエ公式部活動がスタートすると聞いた時、落語を「部活動として」見に行きたいと感じた木村さん。
他の人と共有することで、単に「楽しんで終わり」にならない鑑賞ができるのでは、と考えました。
友人に話したところ、「落語に限らず、歌舞伎・文楽など、日本の伝統文化に関係がありそうなものは何でも見聞きして学ぶことにしては?」 と提案され、自身が落語に夢中なように、他の日本文化に夢中な人からのインプットはきっと面白いだろうと感じました。
 
そうして、いろいろな日本文化に興味がある人が集まり、「日本文化探究くらぶ」が発足。
メンバーは総勢8名。過去に落語を一緒に見に行った同僚の横のつながり等で、社内の様々な部署・年代の人達が集まりました。
 
部活動を行っていく上での目的は、「古(いにしえ)の日本人の考え方や行動を学び直すことで、ものの見方を広く、考えを深くしたい。多様性が求められる現代にも活かせる新しい視点を見つけたい」というもの。
しかし、「名前に“探究”とついていますが、あまりゴリゴリの勉強ではなく、まずはどんどん初めてのものに触れて行こうという段階です」と木村さんは話します。
 

初回は落語鑑賞で、「渋谷らくご」へ出かけました。「渋谷らくご」とは、若者の街渋谷で行われている落語会。初めての人でもフラっと入って楽しめることをコンセプトに開催されています。色々なタイプの落語家さん4名×30分を見ることができ、お笑い芸人の方が出演者を決めているので、楽しみやすい構成になっています。落語会に初めて行ったメンバーも多いに楽しむことができたそうです。
 
第2回目の活動は日本舞踊鑑賞。国立劇場で唄と踊りを堪能したそうです。
その他、メンバーからのインプットにより、様々な企画案が出てきています。


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木村さんが語る「落語の面白さ」

◆その一、落語家の個性を識る
古典落語(江戸~明治にできた演目)は何度も聴いているうちに、最初のフレーズで「あの噺だ」と判るように。知ってる噺をその落語家さんがどのように表現するのかを見ることが楽しい。
人によってはその時々の社会情勢をひっかけた「くすぐり(ギャグ)」を入れたりもする。基本的な流れは決まっているが、一門や人によって違いがあり、細かい違いに気付いたり、落語家さんの力量を感じたりすることが面白い。
 
◆その二、「まくら」も見どころ
演目本編だけでなく、「まくら(本編前に語られる導入部分)」も楽しみのひとつ。
その日の出来事や、落語に出てくる言葉を解説することも。落語家さんによってはその日の演目を、まくらの時のお客さんの反応や空気感を見て決めるんだとか。
 
◆その三、新作落語にも不思議な世界観がある
新作落語も古典落語とは違った不思議な世界観があり、面白い。
立川吉笑さん(令和四年度『NHK新人落語大賞』を受賞)など、新作落語はあまり落語に触れてこなかった方も入りやすいはず。

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海外で暮らして改めて考えた「日本」のこと


今回の部活動の取材に際し、「自分がなぜ日本文化に興味があるのか?」について改めて考えてみた木村さん。振り返ってみたところ、海外で暮らした経験が大きかったことに気付きました。
 
ワーキングホリデーでニュージーランドに行った時、現地の方から日本のことについて尋ねられ、日本人であることを強く意識する場面が多くあったそうです。それが、日本文化への理解を深めたいという気持ちの根底にあるといいます。
 
例えば、ニュージーランドで知り合いのお宅に招待された時には、巻き寿司や親子丼など「日本らしい」料理で、現地の人にも食べやすいものを手土産に持参していました。
また、羊の牧場を訪れた時には、「羊の数を正確に数えるのは、ニュージーランド人よりも日本人や韓国人の方が上手だね」と言われたそうです。そこで木村さんは、数字の表現が、英語は長く、日本語や韓国語は短いからではないか、と推測。外から見て違いを発見する比較文化にも興味を持つようになりました。


そのような経験の中で、海外の方から尋ねられたのに答えられなかった事柄が後から気になり、日本文化に改めて興味を持つことにつながっていったといいます。
そうして、気付けば社会人になってからの習い事は、書道や能など、日本的なものばかりを選んでいたそうです。
 
当時を振り返りながら木村さんは、部活動について「自分とは違う文化を持つ人と接する機会がないと自分では気付けないことも多い。部活動でいろんな人の視点を巻き込み、新しい発見ができるといいと思う」と期待を込めて語ってくれました。
 
今後の活動では、伝統文化を中心に見聞きし、知見を広げ、海外の文化を見て比べる活動もしてみたいと考えているそうです。
「副部長と“日本文化探究”というと日本の文化が一番で、他の文化は二の次みたいに捉えられるのは嫌だね、と話していました。他の文化に詳しい方のお話も聞いてみたいと考えています」と木村さん。
メンバー間での学びだけでなく、外部の有識者に話を伺ったり、活動が回を重ね深まったら、他の文化を探究している社会人クラブの方々と交流をしたりと、新しい視点を柔軟に取り入れていきたい、と話します。
 
部活動立ち上げにより、「社内でも今まで話す機会がなかった他部署の人、年齢が違う人との交流が拡がり、つながりが生まれたことが嬉しい。刺激を受け合えればいいなと思う」と語る木村さん。
あえて「くらぶ」をやわらかい平仮名にしてあることも、「色々な視点を取り入れたい」という柔軟な活動の姿勢を表現しているように感じました。
 


インタビュアー:レーズンぱん 
ライター:MATSUDA
イラストレーター:阪本
 

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