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夢中とは○○だ!

あなたの夢中、教えて下さい

人々の暮らしの中に夢中を増やしたいクラシエは、2021年の9月、こんな問いかけをしました。

「夢中とは○○だ――この○○の中に、あなたはどんな言葉を入れますか。」

このアンケートに集まった回答はなんと1,982通!回答いただいた皆様、ご協力いただきありがとうございました。
今回は、このアンケートで頂戴した「皆さんの夢中」を掘り下げることで、夢中がもたらす効果を探ってみたいと思います。

夢中とは、幸せな時間だ

まず、回答の中で目立ったのは「時間」というワードでした。

時間を忘れるほど楽しく、集中してしまうもの。
熱中してしまい、あっという間に時間が過ぎているもの。
忙しない日常や嫌なことを忘れて没頭してしまう、有意義でかけがえのないもの――。

繋がる言葉はさまざまでしたが、やはり多忙な日々を過ごしている皆様は、大事に使いたいものとして「時間」を強く認識しているようですね。

生活の中で時間に追われることが多く、時間を忘れて好きなことに夢中になりたい。

夢中になるときは好きなことをしている時。好きなことをしているときはストレス解消になるし、その時間は確保したい大事なひととき。

好きなものがあり没頭できる時間がある人はステキな人生を送っていると感じる。

生きる上で必要なことをこなす時間はもちろん大事。
しかし、現在夢中になる物事がある人はそれに費やす時間を、ない人も何かに没頭できる時間は素敵なものなので、大切にしたいという回答が多かったです。

特に、「自分の"好き"と向き合う時間」があることに、癒しや幸せを感じるという声が多数寄せられました。
"好き"の具体的な内容は、お子さんやペット、趣味など。

子どもの今しかない成長の瞬間を感じた時、微笑んでもらった時に幸せな気持ちでいっぱいになる。

ペットの遊びに一生懸命な姿を見ていると、愛おしい気持ちになるし、こちらもつい時間を忘れて一緒に熱中して遊んでしまう。

大好きな作家さんの本を読んでいるとき、理想の空間にしようとインテリアを変えているとき、最高な時間を過ごせていると感じる。

また、夢中になっている時間は、他の物事に取り組んでいる時間より早く過ぎ去ってしまう!という声もたくさん寄せられました。

「もうこんな時間になっていたのぉ~」と、あっという間に時間経過している時は、夢中になっていることが多いですね。

夢中になると時間の感覚が無くなってしまって、いくら時間があっても足りなくて時計を二度見してしまう。

夢中になって時間がなくなってしまう経験は、皆さんされているようです。

私にも、好きな作家さんの著書を読み始めると、あっという間に世界観に引き込まれ、ふと我に返って時計を見ると「こんなに時間が経っていたのか…!」と驚いた経験があります。

よく通勤時の電車移動中に読書をするのですが、本に意識を向けた結果、乗り過ごしかけてしまったり…。主人公達と共に一喜一憂しながらストーリーを進めていくことに夢中になっていたんですね。
夢中になって読んだ後に物語の余韻に浸りながら「良い時間を過ごせた」という満足感を覚えるのは、“至福のひととき”だと私も思います。

夢中とは、活力だ

次に回答の中で多かったのは、「活力」というワードでした。

夢中になれることがあると明日も頑張ろうと思えるから。

夢中になれることがあればつらいことなどを乗り越えて生きる力になる。

何かに夢中になることで人生を生きる活力になる、何かに夢中になるだけでそれだけで生き生きとする、パワーがみなぎってくる。

そうそう、気分が落ち込んでいるときに趣味に夢中になることで気分転換ができて、「明日もまた頑張ろう」と元気を取り戻せるんですよね…。
私の趣味の一つに散歩があるのですが、煮詰まったり考えることに疲れてしまったりしたときは、なんとなく景色を眺めながら歩いて、草木の香りを嗅いだり土に触れてみたり、軽く走ってみることで気分を切り替えています。

鮮やかな葉を散らすイチョウ、お庭から漂う甘い金木犀、トタン屋根の上で芸術的な寝相をしている猫、柿の実を啄む雀…。
動植物を観察する楽しみに没頭することで、日常の不安や気がかりなことから解放され、いったん自分を俯瞰することができるのだと思います。
そこで改めて物事や気持ちを整理して、区切りをつけられるのでしょう。

特に寒くなってきたこの時期は、夜が長くなるだけではなく、大気中の水蒸気も少なくなるため星の輝きが綺麗に見えます。上を向きながら少し早歩きするだけでも体がポカポカしてなんだか得した気分になるのでおすすめです。

一生懸命に好きなことに取り組むと、明日への活力が生まれてくる。毎日「生きている」という充足感を得られる。心や体を動かすエネルギーがみなぎってくる。
そんなふうに自分を整える時間として、夢中を大事にしている方が多い印象でした。
日々のやるべきことに挑戦する英気を、夢中になる時間で養えるのかもしれませんね。

夢中とは、人生だ

また、「人生」というワードも多くありました。

情熱を注げるものがあること、それに向上心を持って取り組む時間があることは、人生を充実させる。夢中になれることは幸せなことだ。

熱心に取り組むことがない人生は、つまらない。

無我夢中で楽しみながら、何かを生み出したり表現したりすることは生きた証となるため、人生で欠かせない。

夢中になれることは、人生をより豊かに彩ることができるということ――。その意見に強く頷いてしまいました。

私は好奇心が旺盛な性質で、色々な物事に興味を持って挑戦し夢中になる…という経験を積み重ねてきました。
そしてその時々の経験が枝葉のように繋がり、新しい出会いや体験の窓口に結び付くことも多々あります。

最近では、マーダーミステリー(ミステリー小説の登場人物を演じて目標達成を目指す会話型のゲーム)を通じて仲良くなった友人に紹介してもらい、都内にある里山で稲作体験をしてきました。

両手いっぱいに稲穂を抱えたのですが、周囲に農家の方がいない私にとっては初めての貴重な経験となりました。夢中の縁のおかげで、豊かな人生経験を一つ重ねることができたのです。

稲作体験

回答の中には、夢中を追いかけた先で人生の方向性が決まったという方もいました。

私は学生時代に絵を描くのに夢中になっていて、今それに携わる仕事をしているから。

まさしく、夢中とは人生そのもの!
体現されていて素晴らしいです。

いくつかの夢中を持ち、日々の糧としている方。極めた夢中があり、プロとなった方。
どちらにも共通しているのは、「夢中を楽しまなくてはもったいない!せっかくの人生なのだから!!」というパワーに溢れた想いのように感じます。
限りある人生の時間、たくさんの夢中で埋め尽くせるようにしたいものですね。

ここからは、「なるほど…!」と思わずうなってしまった回答を紹介します。

夢中とは、宝石のようだ

何かに夢中になっているとき、その人はきらきらと輝いているから。

夢中をひたすらに追いかけている人の姿を想像するとき、私は部活動で青春していた学生時代の友人達のことを真っ先に思い出します。
朝は開門時間から夜は下校時刻ギリギリまで部活動で切磋琢磨し、発表の場で最高の成果を上げられるように己を調整するストイックな姿。
目標に向かって一心不乱に努力するその姿はとても眩く、見た人が応援したくなるような雰囲気が確かにありました。

夢中とは、アンチエイジングだ

最も夢中になれる機会があったのは、若いころだったという回答もいくつか寄せられました。

確かに、年を重ねるにつれて考えることや責任は増えていくもの。それに合わせて年々夢中になれる時間は減ってしまっている…。しかし、夢中になれる時間は今も昔も変わらず、自分と夢中になれるものの間にだけ流れている特別な時間。

夢中になっている時間が増えると、身も心も若返るような気持ちになる、との回答に、自分の夢中になっている瞬間を思い出して強く頷いてしまいました。私も遊びに夢中になっているときは、心は小学生の頃に戻っている気がします。

夢中とは、笑顔になることだ

夢中になれることは好きなことであり、好きなことをしているときは笑顔になっているからという回答がありました。

また、夢中になっているときは、自身の理想にたどり着くまでの苦労や挫折であっても楽しみながら行えるため、最終的に笑顔に繋がる…という回答もあり、苦しいを楽しいに変換し続けることができる夢中のパワーはとっても強いなと改めて感じました。

目標を達成したとき、喜びでふと笑みがこぼれる瞬間は皆さん覚えがあるのではないでしょうか。好きな物事であれば、得られる達成感は他のものをはるかに凌駕するのでしょうね。

あなたの夢中は、何ですか?

夢中とは、○○だ。筆者の回答は「遊び」でした。

遊んでいるときのように、時間を忘れて楽しみ、熱中できるもの。他のこと(仕事や不安事)を忘れて取り組めて、気分転換できるもの。

今回ご紹介した皆さんの回答と重なる部分が、多いこと!選んだ単語は異なれど、【夢中】に対して抱いている想いは同じなのかもしれません。

夢中になれるもので素敵な時間を過ごせると、苦手なこと・好きじゃないことにも意欲的に向かっていけるようになる経験が私にもあります。良い循環を生む、素晴らしいエネルギーを秘めている夢中のチカラ。これからも積極的に取り入れていきたいと思います。

みなさんは、今日は何に夢中になりますか?


ライター:仲間