見出し画像

耳から伝播する新たな夢中!「好きなことをひたすらに話す」その熱量こそがゆる〇〇ラジオの原点【くらしの夢中観測所活動レポート】

夢中観測員は、夢中が集まる場所に引き寄せられます。
今回は、夢中を生み出し、夢中が集まり、夢中がつながっていく「ゆる学徒カフェ」にお伺いしました。「ゆる言語学ラジオ」を筆頭に「ゆる生態学ラジオ」「ゆる民俗学ラジオ」など人気ポッドキャストを生み出している現場で、3人の夢中人に話をお聞きしました!

くらしの夢中観測所とは
クラシエは世の中にたくさんに夢中を増やすべく、生活者の「くらしの夢中」について他のどこよりも詳しい企業を目指しています。
そのために発足したのがクラシエの生活者研究「くらしの夢中観測所」です。
くらしの夢中を考えるときに、その人の顔が見えることを大事にしており、直接人を見る、話すというアプローチを「顔見え研究」と称して、日々自分が魅力的だと思っている人や気になる人に直接話を聞くチャンスをうかがっています。

今回は、「ゆる言語学ラジオ」が大好きな観測員のリクエストにより、「ゆる〇〇ラジオ」がつくったラジオブースのあるカフェ「ゆる学徒カフェ」でフィールドワーク!


「ゆる学徒カフェ」でよしのぶさんに夢中を学ぶ

夢中観測所の活動の1つである夢中探索フィールドワーク。
今回のフィールドワークのテーマは「学ぶ」。

そのテーマを胸に、4月某日、我々夢中観測員がお邪魔したのは、池袋にある『ゆる学徒カフェ』。
そのコンセプトは“知識を持ち寄り、ふざけて笑う” ― YouTubeチャンネル登録者数27万人を超える「ゆる言語学ラジオ」を皮切りに、現在7番組が配信されている「ゆる学徒ラジオ」。そんなゆる学徒ラジオの精神「知的にふざける」を体現したカフェ&バーです。(株式会社Pedantic運営)

ゆる学徒カフェ (studio.site)

頭のレクチャーを皮切りに、普段収録が行われているラジオブースで夢中観測員が「ゆる学徒カフェ」の夢中人よしのぶさん・黒川さん・谷口さんと夢中に潮流ついてトークするラジオ収録体験もあり、ゆる学徒の沼にどんどんはまっていくプログラムとなりました。

講師を務めていただいたのは、「ゆる生態学ラジオ」でおなじみのよしのぶさん。

ラジオを例にゆる学徒カフェの成り立ちについて教えてくれたよしのぶさん

ゆる言語学ラジオの興りから、ゆる学徒カフェの誕生までの壮大なストーリーをお話しいただきました!リスナーの反応がよかったコンテンツの秘話やよしのぶさんがパーソナリティになるきっかけとなった合宿の裏話などもあり、今まで以上に心つかまれてしまいました。気になる方はぜひゆる学徒カフェで聞いてみてください!!

初めてのラジオ収録、緊張でがちがちだったけど癖になる

「ゆる民俗学ラジオ」でおなじみ店長の黒川さんと副店長の谷口さんも加わり、豪華メンバーを前に圧倒される我々。大きなわくわくと若干の緊張の中、いよいよラジオ収録スタートです。

店長の黒川さん(左)と副店長の谷口さん(右)
ラジオ体験では、思っていた以上にみんな緊張していました。終わってみると、ラジオまたやりたいと、やみつきになってしまう秘密がラジオにはあるようでした。

私たち観測員が話し手として最近発見したり気になったりしている夢中のことを、聞き手の3人に大きな心で受け止めてもらった感じになりました。
実際のラジオ収録を「ゆる学徒カフェ」オープンマイクで公開していただきました。どんな夢中の話をしたのか、興味のある方はご覧ください!

好きなことのルーツを自己分析する黒川さんインタビュー

続いて夢中人インタビュー。くらしの夢中観測所では、その人の「くらし」のそばで対話することを活動の中心においています。くらしの夢中から表面に表れている「夢中」や「困りごと」のさらに深くにある「感情」や「真の価値観」「欲」の発見を目指しています。

グループにわかれて、よしのぶさん・黒川さん・谷口さんにインタビューしました。

ゆる民俗学ラジオのパソーナリティ、そしてゆる学徒カフェ店長の黒川さんのインタビュー内容を少しご紹介します。

インタビューは黒川さんの「ゆる民俗学ラジオ」にもたびたび登場する妖怪の話から始まりました。黒川さんが妖怪に興味を持ったのは子どもの頃にお父さんが持っていた水木しげるの妖怪の本を見つけたのが始まりでした。取り出して見て怖くて戻し、また見ては戻して…を繰り返しているうちにはまってしまったとのこと。その後、高校の先生に妖怪が民俗学の分野だと聞いて、大学で民俗学を専攻することになったそうです。

民俗学以外ではモンゴルが好きで、モンゴルの草原を旅した話もしてくれました。自分が育った風景に似ている草原がもともと好きなことルーツなのではとご自分で分析されていました。黒川さんが育ったのは盆地で、雨が降ると田んぼに水が流れ込むようになっていて田んぼのまわりには家がなく、その景色がモンゴルと似ていているらしいです。

黒川さんはインタビューを受けながら軽快にいろんな話をしてくださり、大学に「森林」「草原」「砂漠」という面白い授業があったという話や土壌分析の会社で働いていた時に移動中に聞いていたのが「ゆる言語ラジオ」だったということも教えてくれました。

さらに、音楽は聞き手側でもある黒川さんですが、最近サックスを購入したとのこと。ジャズに登場することが多い楽器のひとつであるサックスですが、ジャズはもともとアメリカで大衆向けに発展した音楽。民俗学もジャズも「大衆」が共通点、自分は「大衆向け」のものに惹かれるということを改めて思ったそうです。ここでも自己分析! 大衆の文化を見るのが好きで「好きになったらとことん調べちゃう、背景を知るともっと好きになる」と話してくれた黒川さんでした。
 
実はインタビュー冒頭、黒川さん自身もフィールドワークの経験がたくさんあるとのことで、インタビューは世間話とか関係ない話から聞いていくと良いよとアドバイスをくださいました。
何気なく始めた妖怪の話から黒川さんのルーツを知り、黒川さんの「好き」を掘り下げる中で、好きや夢中からたくさんの気づきやヒントを見つけることができました。

黒川さんには「自分のことを話すことで自分を知ることができた。自分の好きなことはやっぱこれだったな!がわかったので、好きなことを口に出すことは大切だ。」とのコメントをいただきました。

ラジオ収録ですっかり打ち解けた観測員と3人へのインタビューはどのチームも盛り上がり、たくさんの発見をいただきました。
よしのぶさん、黒川さん、谷口さん、根掘り葉掘り私たちのつたないイタンビューに真摯におつきあいくださり、ありがとうございました!

よしのぶさんよりコメントもいただきました!!

収録体験前には「緊張する」「恥ずかしい」と言っていた観測員の皆様が、ラジオ収録後には「次はこうすればもっと良くなるんじゃないか」と目を輝かせていたのが印象的でした。私たちの夢中が皆様にも伝播したようで、大変嬉しかったです。

フィールドワークって面白い!

最後に、フィールドワーク参加したメンバーがフィールドワークでの体験を語ってくれました。またそれぞれの「ゆる〇〇ラジオ」イチオシ回もご紹介します!

「ゆる学徒カフェ」推薦した観測員の宮迫雅さん:
私は「ゆる〇〇学ラジオ」の結構なヘビーリスナーなので、今回のフィールドワークは純粋に楽しめました。特にラジオ体験については、自分でも意外でしたが、思った以上に楽しくおしゃべりできました。自分が調べたり考察したりして導き出した持論を、「自分はこんなこと考えたんだぜ!どや!」みたいに好き勝手に披露する、というのが意外と面白いんだなという発見がありました。
また、よしのぶさん、黒川店長、谷口副店長の全員とも、自分自身が楽しんでいる、というのが良く伝わりました。谷口副店長は、自分の得意なことを活かしてメニュー表のデザインを作ったり、イベントやラジオに登壇したりと、自分から積極的に関わって、この「ゆる学徒カフェ」や「ゆる〇〇学文化」を良くしていこうとされていました。大変なこともあると言いつつも、それをどこか楽しそうに語っていたのが印象的でした。自分が夢中になれば、他人も夢中にさせることができる、というのを体現しているカフェだなと改めて感じました。

宮迫さんイチオシ回のひとつ:人はなぜ見積りを失敗するのか。失敗の本質は○○【見積り1】#44

実際に見積もりすることが難しいことにめちゃくちゃ共感できて納得したので。いつも仕事していても「この業務あと〇分くらいで終わるなー」「午前中にあれとこれを終わらせよう」といった見積もりは大体外れます。そのような見積もりをめちゃくちゃ真面目に研究している専門家がいて、それを面白く紹介してくれています。Funnyな面白さというよりはinterestingな面白さの方が大きいです。

ラジオ収録が癖になってしまった!?夢中観測員 柴原さん:
私が「ゆる〇〇学ラジオ」を知ったのは観測所からの紹介からであり、初めてコンテンツを視聴した感想は『どうしてこんなに難しくってくだらないこと(もちろんいい意味です)なのにこんなに引き込まれるのだろう』でした。学校の授業だったら寝ちゃうよ、、なんて思いながら、どんなタネがあるのだろうと楽しみに臨みました。パーソナリティの方々への夢中インタビューを行って感じたのは、大前提にとにかく大好きが先行しており、大好きなことをとことん学んで、大好きなことを自分も楽しくなって共有しているから、視聴者の心はグイグイ惹かれていくんだなということでした。自身の熱量は相手に伝播していくということを再発見でき、「ゆる〇〇学ラジオ」は『自分が大好きなものをとことん学ぶ、自分の好きを人に共有する、聞いた人がさらに・・・』というサイクルがぐるぐる回り続ける素敵なコンテンツだなと改めて思いました。

柴原さんイチオシ回のひとつ:妖怪をデータ分析すると、「あの穴」が狙われがちなことが分かる。#5

黒川さんへのインタビューをした際、「民俗学を学ぶきっかけとなったのは妖怪だった」とのお話を伺いました。
もともとオカルトや怪談が大好きでしたが、=民俗学という視点はこれまでなかったため、非常に興味を惹かれました。フィールドワーク以降いくつか視聴した中で、『そんな着眼点で妖怪の分析する??』と目に留まった動画です。統計データに基づいて、民俗学的な視点で妖怪・怪談の時代の変遷や歴史を面白おかしく説明してくれています。妖怪や怪談を存在するものとしてではなく、人々の意識から生まれているという前提で扱っていることが新鮮でした。

今回のフィールドワークには参加した、note制作メンバー(クラシエの公式noteを運営しているメンバーたちです)も大いに刺激を受けたようで、彼らも夢中の観測・考察をしてくれました。

note制作メンバー 大坪卓さん:
どうしてこのチャンネルがこれほどまでに人気になったのか考えていました。私なりの解釈ですが、「言語学」という一見敷居が高そうで、多くの人にとっては他人事であるものを、誰しもが関係ある(わかる)切り口から入っている(そういうテーマ設定になっている)ところ、それをポップに話しているところがこのチャンネルの人気の理由なのではないかなと思いました。
また、ゆる言語学ラジオから、他のチャンネルやイベント・カフェの運営へと広がっていく過程がとても興味深かったです。ゆる言語学ラジオというヒットした一つのフォーマットを元に、学問を変える、人を変える、媒体(場所)を変えていき、活動が広がっていったというお話しでした。強いベースがあることで、そこから何か要素を一つ置き換えると同じ(くらい)強いものが出来ていく可能性があるのだなと感じました。そして、この過程の中で夢中になっている人もどんどん増えていって多くの人を巻き込んでいっているなと感じました。

今回特に普段の定例会とは違いフィールドワークらしかったのは実際のラジオ収録体験があったところではないかと思います。収録を聞きながら思わず考えさせられたのは、趣味(夢中)というのが人に話しやすいものとそうでないものがあるというところでした。これは自分自身に置き換えてみてもよく分かるなと思いましたし、なぜちょっと引かれるかなとか思いながら言う趣味とそうでないものがあるのか、あるいはそう感じてしまうのかというところを疑問に思いました。これに関しては、話の中に挙がっていた、皆の評価軸と自分の評価軸という視点がヒントになるのではないかと思いました。

大坪さんイチオシ回のひとつ:「種」は存在するのか?

確かに、どこから違ったら違うとするのかは難しい問題だなと思ったし、結局分類というのは分類する人の主観が入ってしまうのが現状なんだなと思った。色んな分類学者を連れてきて議論させてみて欲しいと思ってしまいました。

note制作メンバー 阪本未来さん:
今回初めて夢中観測所の方の活動を見学させて頂いたのですが、まるで学校や研究のような取り組みをされているのだなと感じました。1人に対してどんどん深堀していくインタビュー形式は、それだけでも圧巻でしたが、そこから夢中との関係性などへ導いていき、夢中について本気で研究されていて、観測所の方のその姿勢こそ夢中を体現しているなと思いました。皆さん真剣に、そして生き生きと活動していて素敵でした。
今回お話を聞かせて頂いたよしのぶさんのはちみつに関するトークがとても面白かったです。内容が興味深いものであったのもありますが、その話しぶりからはちみつへの夢中・熱意を感じるからこそこちらも惹かれるのだと思わされました。
このような素敵な取り組みをしていること、たくさんの社内の方に知ってもらえたらいいなと思います。

阪本さんイチオシ回:「象は鼻が長い」の謎

言語学でありつつも身近な文法の日本語のため、え?それってこうじゃない?と気軽に自分の意見を持ちながら言語の面白さに触れられる動画でした。

夢中じゃないと夢中がつながらない

よしのぶさんのはちみつの話は、実はフィールドワークの準備中にお聞きした話でした。飲み物の注文の際に、ゆる学徒カフェのレモネードはよしのぶさんが調達しているはちみつを使ってるんだ、という話から南から北にミツバチの巣箱を移動して長い期間はちみつを採る工夫をしていることなどミツバチと養蜂家のことを教えていただいたのですが、その時のよしのぶさんは、本当にキラキラ✨していました。レクチャーの中でも狙った企画より、好きなことを純粋に話している回の方が聴取数が多くなる、という話がありましたが、今回、よしのぶさん、黒川さん、谷口さんにインタビューさせていただき、やはり好きなことや一生懸命になっていることのパワーを改めて体感しました。その果てしないエネルギーが伝播するからこんなにみんな「ゆる学徒カフェ」が生み出すラジオに夢中になってしまうんですね。そして「ゆる学徒カフェ」に集まる人たちから新たな夢中が生まれていることを感じました。入店すると最初に「相席をお勧めしているのですが、、、」という「ゆる学徒カフェ」もぜひ体験してみてください!

ゆる学徒カフェ名物?のハニーレモネードも、はちみつの味がガツンとくる濃厚さで美味でした:)ぜひお試しあれ!

夢中人プロフィール

よしのぶさん(ゆる生態学ラジオパーソナリティ)

ゆる生態学ラジオ、ゆる哲学ラジオに出演。ヤフー株式会社(現LINEヤフー株式会社)を経て、現在は、はちみつの零細卸業者をしつつPedanticメンバーとして活躍中。横浜国立大学経営学部卒。

黒川さん(店長&ゆる民俗学ラジオパーソナリティ)
ゆる民俗学ラジオ、ゆる音楽学ラジオに出演。筑波大学人文・文化学群比較文化学類卒。日本民俗学を専攻。民間信仰、口承文芸に主な関心がある。 色々あって、池袋のカフェで雇われ店長をすることになった。 文化人類学、宗教学などにも関心があるが知識量は乏しい。いつかモンゴルを徒歩で横断したい。永遠の夢は作家。

谷口さん(副店長)
多摩美術大学・美術学部彫刻学科出身。 アートに関わりつつ、デザインの現場や企画に携わる仕事を個人でしている。 ゆる学徒カフェのアルバイトに興味本位で応募したところ、採用、のち副店長としてカフェにまつわる色々をやることになった。 映画鑑賞イベントでは、解説役担当。

みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!